航空券が安いという理由だけで1泊2日 in ドイツ

この旅、第一のハイライトになるであろうアイスランドに直行したいところだったが、タイからの直行便はかなり高額、あるいは存在しなかった。

そんなわけで経由便を探すのだけど、この経由というのが貧乏性の僕にはもったいなく思えてならない。例えばそこがイギリスなら空港の窓から涎を垂らしながら、行きたくてたまらないビーチーヘッドの方角を眺めることになるからだ。

それならもう経由便で行くのを辞めよう、ということになり、スカイスキャナーですべての航空券から安い場所を調べたところ、

ベルリン行き:1人約37,000円と表示された。

僕らなりのアイスランドを目指しながら欧州を旅するには最良の選択だと思い、即購入した。

ところが、予定していたケルン経由でのベルリン行きの便が遅延するという内容のメールが直前に届く。

この便を選んだのは安さだけでなくケルンの空港での十分な滞在時間にあった。ケルン大聖堂というユーロ硬貨にも刻まれたことのある教会を一目見てみたかったからだ。

しかし、遅延するのでは仕方がない。真夜中から空港を出るのも気が引けたため、ただただ中途半端に長い空港のベンチ泊を待つことにした。

バンコクのスワンナプーム国際空港へ着くと、早速ユーロウィングスの受付へ向かった。

「何処へ行かれますか?」と尋ねられ

「ケルンです」と答えたら、

「?」という顔をされ、「コロンですね?」と聞き返される。

それもそのはず、ケルンは英語表記だとCologneなのだ。Eチケットにもそのように書かれてあったことを思い出した。

どうして、これを日本語読みするとコログネならまだしもケルンになるのだろう。もしかしたらドイツでの読み方がケルンなのか?そう思って調べるとドイツ語表記はKölnであった。

念のため、そのスペルをコピペしてグーグル翻訳アプリのロボットに言わせてみたら、しゃくれた顎で「カルン」と言うのだった。

くたびれる旅の予感があったが、ユーロウィングスに搭乗すると、人生初のヨーロッパということもあるのか、中々寝つけなかった。

緊張もあったが、とにかく座席が僕の体に合わず腰が痛い。なにもかもがこの体たらく人間には合わないようだ。

一方、隣の席ではドイツ人らしきお爺さんが、離陸から5-6時間ずっと電卓を叩いていた。体が縦にも横にも大きく、背筋を伸ばしてコンパクトにエコノミー席に収まっていた。

妻の英語の先生であるジョン氏がドイツ人の物真似をする人だったことはチェンマイ編でも書いたが、当時それを妻がやってみせてくれたことがあるけど、背筋を伸ばしてロボットのように動いて最後は敬礼でキメるものだった。まさにそこからくるイメージ通り。

あまりにも退屈で座席のポケットに入っている機内販売のパンフレットを広げると、ロゴマークに変な日本語の刻まれたアパレルブランドを見つけた。見覚えがあった。そのロゴの入った服を着ている人をタイで2度みたことがあったのだ。

213

「日本には外国人から見ると変な英語表記の服が多い」と外国人タレントがテレビで言っていたけど、ヨーロッパも同じじゃないか。タイでも色々見たな、変な日本語の服。

一睡もできないままケルンに着くと、腹減ったということで、空港内のスーパーへ。チェンマイに居たとき、妻がベルリンの宿をリサーチしながら、その金額の高さに驚いていたが、日用品はそれほどでもないようで安心した。

205

空港価格の日用品。1ユーロ≒130円

どうも税金のかけ方が日本とは随分違うらしく宿泊税というのをがっつり奪って外貨を稼ぐようだ。

しかし、これが現地の人が生きるのに必要な主食であるパンなどは空港でありながらも日本より遥かに安い。本当に頭を使ってくるよ。

とは言え、お金の心配はそれほどしていなかった。というのも宿泊代でビックリし過ぎたおかげでベルリンを1泊2日できりあげ、隣国のポーランドにバスで逃げることに決めていたからだ。

ベンチでひと眠りした後、大した遅延もなくベルリンへ出発。

気持ちよく寝入った頃、飛行機がガタガタ揺れる。分かってはいたがあっという間にベルリン・テーゲル空港に到着したのだ。

僕らの泊まる宿へはバスと地下鉄を乗り継ぐ必要があった。感心すべきことは、その路線や券売機での切符の買い方などを妻がすべて頭の中にインプットしていたこと。

まるで添乗員のようで、僕は過去に「もうお前の添乗員になるのはいやだ」と妻にぼやいたことがあったけど、それを後悔するくらい頼もしかったし、何も調べていないことが情けなくなった。

到着口を抜け、空港の外へ。

バスの券売機の前にバス会社のスタッフらしき男性がいて、私からも買えます、というようなことを言っていた。どっかでこの展開あったなー。

嫌な予感がしたが、ここは生真面目なドイツ。この男から慣れた様子で買う人がいるのを確認できたところで僕らもそうした。

バスに乗ると、2つ目だか3つ目の停留所で降りた。歩いても来れそうな距離だったけど、なんせバックパックが重い。滞在時間に限りがあることを考えても交通機関には早めに慣れておきたかった。

最初の関門は駅名だった。ドイツ語は本当にどう読んだらいいのか分からない。地図アプリで同じ駅名を何度確認したことか。読めないということは記憶できないということに等しいのだ。

あとで役に立つだろうと思い、駅についてすぐに路線図のプレートを写真に収めた。

222

223

静かな車内。愛玩犬を生身で乗せることができ、自転車も裸のままスルッと載せてくるベルリンの皆さん。ときどき楽器を持ち込んで演奏する人も。

泊まる宿は海外初の男女混合ドミトリーだった。早めに到着することでチェックインはできないが、バックパックを預かってもらえるということでその宿を選んだ。本当に我が添乗員は何でも調べてくれていた。

宿のスタッフは当然のように流ちょうな英語を話される方で安心した。陽気で優しい感じの方であり、観光地図をくれたので早速、街へ。

駅に着いて、1つの疑問点が浮かんだ。

チケットは制限区域・時間内なら、バス・電車・地下鉄・トラムを問わずあらゆる路線に乗ることができるものであり、電車の場合はホームの隅にある機械にチケットを通し、開始時間を刻印しなければいけなかった。

僕らは1日券を買って、バスのときに刻印していたので問題なかったのだけど、本当に1回だけで良いのか不安になってきた。

というのも、ベルリンには改札がなく、無賃乗車ができてしまうことから私服警官のような人が車内で取り締まっているというのだ。

そんなことを話していると、

「困ってるの?」

と僕らと歳の変わらなそうな青年が声をかけてくれたおかげで事は解決した。やはり最初の1回だけで良かったのだ。

ドイツ人優しそうだなと思って、安心して電車に乗ると、途中の駅で、女優のミラ・ジョコビッチのような革ジャンを着こなした女性が乗り込んできて、大声で何事かを叫んだ。

意味は分からなかったが、これが検問だと、すぐに分かった。

「最初はあんただよ、この体たらく!」

おそらく、そのようなことを言っているのだろう、と思って、チケットを差し出すと、

「悪かったわ。」

と言って、女優は次から次へと人のチケットを確認していった。

目的の駅に降りると、すでに女優が1人の男をつまみ出していた。ホームにはブルース・ウィリスもいて、彼もまた1人の男をつまみ出していた。

こうして、早々と交通機関を理解した僕らは、乗物を使い、観光したのだった。

232

ベルリン中心部に設置されたベルリンの壁の一部。遠目に見ると油絵だったが、近くで見たらただのガムの集合体だった。

ベルリンの公共交通機関は本当に便利だが、自転車専用道路もしっかり舗装されていることに驚いた。不慣れなことから誤ってそこを歩いてしまい、ライダーにとても嫌な顔をされた。それがちょっとしたトラウマになったおかげで2度同じことを繰り返さずに済んだけど、それくらいベルリンの人たちは注意深く歩行者と自転車の道路を使い分けていた。

もう1つ驚いたのは、ベルリンの全市民、いやそれ以上の人がタバコを吸っていて、どこにでも捨てる。本当に女性が歩きタバコしながらポンポンその辺に捨てるのだ。なんというかダーツしてるみたいな投げ方で。人の居ないところにタバコを捨てる、それはマナーだよ、とドヤ顔してきそうな勢いで。しかしながら街が清潔さというか簡潔さを保っていたこと。いったいどうやって掃除しているのだ。

236

ホロコースト記念碑。棺桶を模したものだろうか。

248

ドイツのユーロ・セントにも刻印されているブランデンブルク門

253

国会議事堂。ここが最もドイツの迫力を感じた。

270

ベルリン中央駅。ドイツ語読みでの駅名は一瞬で忘れた。

271

駅構内の有料トイレ。街中でのトイレ探しには一苦労。スターバックスでトイレを使おうとした際、レシートに書かれたロックナンバーを打ち込まなければトイレのドアが開かないシステムで、妻が青ざめていた。

272

ベルリン中央駅のコインロッカー。何階かのフロアに設置されていて、十分な空きが見られた。チェックアウト後に身軽に動くことを考えての下見。

273

宿に戻る前にキットカット5枚パックを購入。日本の半分くらいの値段で購入できた。

281

大麻博物館。入場はしていないがまたいつか行こうと記録撮影。

半日観光を終えて、ドミトリーへ。ベッドは6床。先客は1人のオジサン。挨拶はしてくれたが始終しかめ面。

当然音を出せる雰囲気はなく、バックパックを開けると、中に入れていたプラスティックバッグがシャカシャカと音を立てたので申し訳なく感じた。

僕も妻も早々とシャワーを浴び、ベッドに潜る。

寝付けないでいると、新客のオジサンがインしてくる。僕と目が合うなり笑顔で頷いてきたのでホッとして微笑み返した。

早朝、目が覚めると、今度は見覚えのない若い男が部屋を出ていくところだった。深夜にチェックインしてきたのだろう。互いに「ハーイ」と小声で挨拶を交わし別れた。

これがドミトリーか。まるで図書館で勉強しているようだったが、そこはたしかにドミトリー。

ベッドから起き上がると、斜めに傾いた天井の窓を開けると屋根が目の前に広がっていて、同じような建物が目の前にあった。

ボーっとしている間に愛想の良いオジサンが苦笑するようにウィンクして部屋を出ていった。ここは君たちの居るべき場所ではないよ。そう言われた気がして僕らもそそくさとシーツを清掃員に渡してチェックアウトした。

さて、ベルリンの壁を見なければ、ベルリンを去ることはできない。

宿を出ると、カフェのテラスに座っていたオジサンが「君たち前にも後ろにも荷物を抱えて雪だるまみたいだね」と言われたが、歩きながらガラスに写る自分を確認すると確かに雪だるまだった。

早速、昨日下見したコインロッカーへ行きたいところだったが、今晩向かう予定の中央バスステーションベルリン(Zentraler Omnibusbahnhof Berlin)に僅かながらコインロッカーがあることが分かり、地下鉄で近いため行ってみることに。

駅に着くと、妻は僕にバックパックを預け、「私が行ってくるから盗まれないように荷物見てて」と言い残し、空き状況とサイズを確認するために1人で見に行った。

宿からはそのバスステーションは近かったが、ベルリンの壁からは遠ざかってしまうのが微妙なところではあった。

一方、ベルリンの壁に向かう途中にある下見済みのロッカーで荷物を下ろせば、ベルリンの壁を観光後にピックアップすれば、時間の使い方としてはとてもスマート。

だが、雪だるま状態で公共交通機関に乗るのは前後にいる人にかなり気を遣うという問題があり、それだけならまだしも乗客の込み具合によっては乗れるかどうかも分からなかった。

僕たちは雪だるま乗車の時間が長くなることを避ける方を選んだ。とくに妻は空港到着から宿に向かったとき以来、それが密かなストレスになっていたようだ。

車内で荷物を降ろして、窮屈に乗り込んだところで、再び抱えるだけのスペースを確保できるかも分からないからだ。

「1箱で3個いける!」

妻が戻ってくるなり言う。安い、と思った。

「でも、そのロッカーは本当に少ししかないから急ごう!」

言われるがまま急いだ。

そして、僕らは合計30kg以上をそこへ預けることができ、安く身軽になったことで非常にいい気分に浸ることができた。

346

ベルリンの壁(イーストサイドギャラリー)。ペイントアートの数の多さに驚いた。

ベルリンの壁で感じたのは、いや、タイでも感じたことだけど、外国人は本当に自分を撮るのが好きだということ。そして人目をはばからずファッションモデル級のキメキメ目線を維持し、動きのある体のポーズをつくることができる。

僕らも真似てやってみるが、へんてこなものが沢山撮れただけだった。それをここに掲載すると誰も得をしないため控えたい。

347

ドイツと言えばソーセージ。美味だった。ベルリンの壁の最寄り駅付近にあった移動販売店にて。

359

ベルリンのシンボルタワーであるテレビ塔へ向かう途中に寄ったスーパー。日本より随分安い。1ユーロ≒130円

362

NIVEAの本社はベルリンだと知り、東欧北欧に備える意味でも1つ購入。

365

ヨーロッパを駆け巡るFLIXBUS ネット予約・カード決済が可能。今どきの航空券と同様にプリントアウトなしで乗車できた。

バスステーションには少し早めに到着したが、出発は1時間ほど遅れた。

しかしながら、現地での細かな下調べからバス予約など全て我が添乗員が嫌な顔一つせず自らやってくれたおかげで非常に充実した1泊2日であった。

それでも1泊2日で丁度いいや。それが僕にとってのベルリンでもあった。

↓ ランキングで人に読んでもらえていることが確認でき、このボタンを押してもらえることはは本当に元気の源でございます。今後とも応援よろしくお願いします。

にほんブログ村 旅行ブログ 世界一周へ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です