民泊サイトでマンション貸し切りにトライ in ポーランド 

10月20日。

目が覚めるとワルシャワ目前。

僕らを乗せたバスはいつの間にか国境をまたいでドイツからポーランドへ入っていた。分かってはいたが本当に入国審査など必要なかった。

外はだだっ広い大地に霧雨。その景色は僕がイメージしていた東欧そのもの。

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車窓から。畑が無限に広がっていた。

 

 

程なくして、バスステーションに到着。

バスを降りると妻がさっそくトイレを探しはじめる。

僕は霧雨が終わり雨に変わろうとする中、荷物の見張り番。重すぎて屋根のある所へ移動することもできない。

気温は10℃を下回っていたが、分厚いダウンジャケットを羽織り、ズボンの下にレギンスを1枚履いていたことが幸いし、全く問題はなかった。ただ顔に当たる雨だけが冷たい。

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街のはずれにあるバスステーション。トイレが無料。

 

 

ポーランド人の印象といえば、バスに乗る前にバックパックへのシールの貼り方を教えてくれた青年や、彼の朗らかな仲間たちを見ていたことからとてもやさしい印象を持っていた。

また、旅立ち前に日本でテレビ番組を見て、親日家が多少なりいることを知り、そのときの嬉しい気持ちが覚めぬまま残っていた。

それなのに気持ちが晴れない。

天気のせいもあったかもしれないが、理由は1つ。

バスに乗る前、例のシールに名前を書かなければいけなかったのだけど、1人だけボールペンをもっていない同年代の男がいた。

彼は僕が書き終わったらペンを借りようと思ったらしく、そばに来たのだけど、意地悪なことに僕はゆっくり書いて時間つぶしをしてしまった。彼のその一瞬の動作に横柄さを感じたからだった。

もう1つの理由は彼の見た目。スウェットのズボンに星マークだらけのジャンパーを羽織り、唇にピアス、鼻の真ん中から鼻水が垂れそうな状態。

周りにいる人たちは皆複数名でいるのに彼だけ1人。今思うと大した事でもないのに、些細なことが異質に見えてくるのだった。

結局、彼は他の人にペンを借りたようだった。

今、その男が僕と同じように雨に濡れていて、同じバスから降りてきた外国人に道を訊かれ、丁寧に説明している。

地理に詳しいところを見てもワルシャワの人間なのだろう。英語が得意な人が多い国は圧倒的にドイツ、とどこかで聞いたことがあったけど、実際のところかなり巻き舌英語の方が多く聞き取りにくい印象を受けていたこともあり、彼の説明がネイティブのような英語で感心。

そして、外国人と別れた後、まだ理解しきれていない様子の彼らの後ろ姿を見とめると、彼は声を張った。

「一番目立つ建物だよ。笑えるほど簡単だから、ただまっすぐ。何の心配もいらないよ。」

ただの紳士だったのだ。

 

何だか自分に納得のいかぬまま、目的地のとあるお家に着いた。

やはりドイツと同様に地下鉄とバスを乗り継いできたのだったが、これも完璧な妻の調べによる苦労のかいあってのもの。

ますます気が晴れぬまま、そのお家の家主にメッセージを送った。

「少し早いですが到着しました。雨が降っているので、約束の場所から数メートル離れた軒の下でお待ちしてます。僕たちは電話番号付きのSIMカードをまだもってませんが、インターネットは使えますので、何かありましたらコチラにメッセージをください。」

家主というのは民泊サイトで予約した貸マンションの主である。売りに出さず、日貸したほうが儲かると考える人も世の中には沢山いるのだろう。

運転していたらしく、返信もできないまま家主が時間ぴったりに登場。世界中で流行っているベアスタイルに髭を蓄えた男性だった。

部屋に辿り着くまで鍵を3箇所で使う必要がある大型マンション。

最後のドアを開けると、広いリビングが広がていた。

家主が靴のままフローリングを歩き始める。ヨーロッパの家に来たのだと実感した。

妻も驚いたようで、靴、脱がなくてもいいんですか?と訊いていた。

「もちろん。でも、脱ぎたいときは脱いでもいいですよ。脱いだらこの上にでも置いてください。」

そう言って彼は靴置きのプレートをどこからか持ってきた。

その他、僕らが快適に過ごせるよう、家の中の色んなことを説明してくれた。近所のことも教えてくれた。

例えば、SIMカードがガソリンスタンドに売ってある、とか。スーパーは夜閉店するけど、最寄りのガソリンスタンドは24時間で、ちょっとしたものなら買えるんだよ、とか。

一通りの説明を受けたところで、家主さんと別れた。洗濯機の使い方まで聞くべきだごった、と思ったくらい気さくで親切な方だった。

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当たり前なのかもしれないが、ドアを開けるといきなり床張り。びっくりしてつまづきそうになった。

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PC持参の旅にWi-Fiとデスク付き物件は有難い

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シンプルな家具で整えられた寝室。シーツの替えも置いてあった。

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ポーランド語と思われる漫画が飾られていた。暖房は壁に張り付いたストーブのようなもの。これで十分だった。

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完璧なキッチン。洗濯機の使い方を家主にチャットメッセージで説明させるのはあまりにも酷だということになり、妻が何度も使って覚えた。

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家主さんは漫画好きらしく落書きのセンスも光っていた。

 

 

 

僕らは目を合わせて笑った。欲していたのは広いスペースと人に気を使わないで済む場所だった。

ここへ到着するまでのネガティブ思考もぶっ飛んで、バックパックの中身を思い思いに広げる。

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要らないものと要るものを整理した。ストレス解消!

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2人分の服をかける場所も豊富で助かった。

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2人合わせて170Lのバックパックから出したもの全てを収納できた。

 

 

シーズンによるだろうが、これで1泊3004円。ヨーロッパの中でもポーランドは物価の安い国ではあるが、それでも2人でドミトリーを借りるくらいなら民泊したほうがコスパが良いと思った。3人以上なら尚のこと。

気分急上昇のまま外出。

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トルコ料理のファストフード店にて。寒いときは肉に限る。

 

 

昼食でお腹一杯になったところで夕食の材料を集めるべくスーパーへ。

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ビールの入った冷蔵庫。1ズオティ≒30円のため、どの銘柄も1缶あたり100円前後。10ズオティ以上の物はパックでの値段。

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900mlの缶ビール

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サッカー雑誌が名選手を並べてセンターに自国のスターを置くのは日本と変わらないが、レバンドフスキーだと無理矢理感がない。

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このサイズのウィンナーが6本入って約140円

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卵はほとんど横浜と変わらない値段

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肉や野菜は本当に安い。

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ニセモノマーチ。お菓子の中でこれだけ高く感じた。約150円。

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1900円ほどのお買い物となった。日本の半分くらいの値段で済んだ。

スーパーでは物価の安さ以外に感動したことがあった。

ポーランド語はドイツ語ほど読みにくくはないが、意味がチンプンカンプンであることにはドイツ語と変わりなく、粉末状のハーブのうちどれがオレガノなのかを選ぶのに苦労していた時のこと。

商品を手に取り、そこに表示されている文字をグーグル翻訳カメラに読み込ませると、後ろから誰かが僕の肩を叩いてきた。振り返ると子どもを連れた男性がそこに立っていた。

目が合うと何かを話しかけてくるがもちろんチンプンカンプン。だが、彼が自分の手にしている野菜と僕のものを交互に指差したことで、それらが同じものだということを伝えているのが分かった。

英語を話さない方がハーブ売り場と対極のところにある生鮮コーナーへ行き、それを持ってきてまで教えようと考えたのだ。胸の中がじわーっと温かくなった。

 

 

 

翌日、ショパン博物館と旧市街を巡った。

ショパンのことは英語の音声ガイドが入場料だけで聞けたが、聞き取り能力がないせいで理解できないことが多かった。

それでも何となく理解できた部分もあり、それを繋ぎ合わせておそらく史実と違うであろうショパンストーリーを自己完結して楽しむことができた。

だが最も覚えていることは、入場の際に美人スタッフが道順を丁寧に説明してくれたことだ。自分に気があるのではないかと思うような可愛い笑顔振りまいてきた。

気になってちらちら見ていると、新しい来場者のおばさんにもその笑顔を絶やさなかった。残念と言えば残念だったが、それはそれでとても感心した。

要するにショパンのことはほとんど頭に入っていない。

ある1人の音楽家が子どもの頃から音楽とどんな人生を歩んだのかをとても詳細に記録している博物館というぼんやりとしたことだけだ。

音楽家の博物館なんぞ日本でも行ったことがないため他と比較しづらいが、僕にとってのそこは演出が現代的で新鮮だったということだ。

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博物館に向かう途中で見つけた塀。学校なのか塀の奥からはクラシックの楽器音が聞こえてきた。

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直筆と思われるショパンの楽譜

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タッチパネルで選曲しショパン音楽を楽しむことができた。

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当時のピアノが数台置かれていた。

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にぎやかな旧市街。特大シャボン玉にみんな見入っていた。旅の途中で金をなくしたらこれをやるしかない。

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蜂蜜酒らしきものを眺める妻。買物できる旅がしたいよ、と街に出ると必ずこう言うが、金と重量の都合で中々サクッとは買えない。

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カラフルな建物には何が入っているのか。くまなく歩くには1日では足りそうもなかった。

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時折、馬車を見つけた。蹄が石を叩く音は昔と変わらないはず。

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ギター名人。自分にも芸が欲しい。

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ワルシャワのランドマークとトラム

5泊6日のワルシャワは雨が降ったこともあり、次の行先を考える時間も必要だったため、中日の2日ほどは家の中で過ごした。

行先はノルウェーとなった。元々、デンマークかイギリスかノルウェーの3択になるだろうとは予想していた。アイスランドへの便が比較的にいつでも安いからだ。

そしてその3択の中から、その国のもつドローンの規定を照らし合わせると、デンマークが難易度が高く、イギリスも申請のようなことが必要だった。

こう書いてみると消去法のような決め方をしたように思えてくるが、妻も僕もノルウェーの自然に最も関心があったことが一番の決め手となった。

 

 

家主からはメッセージが届いた。

「困ったことはないですか?楽しめてますか?」

何という心遣い。それとも民泊での連泊が初めてだからそう感じただけで、これは当たり前に受けるものなのだろうか。

「街も人も家も素晴らしく、これ以上ありません。ありがとうございます。」と返した。

旅立ちの前日、運よく晴れたので、ショパン公園へ向かう。

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日の丸を連想させるポーランド国旗。

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ドイツでもそうだったが、アジアとは違う木々のフォルム。ボーっとするのに最適な公園。

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ワルシャワの誇りショパンの像。美しい公園だが人はほとんどいなかった。

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妻を向かわせてみて分かったその大きさ。

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どんな鳥が来るのだろう。

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癒しの公園。いつか晴れた日に来てみたい。

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公園からポーランド料理レストランへ向かう途中。落し物らしきニット帽が柱に掛けられていた。

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ビーフシチューのような食べ物。お好み焼きサイズのハッシュドポテトが入っていた。不味いわけがない。

レストランを出る際の嬉しい一幕。

ちょうどお爺さんが店に入ってきて、すれ違いざまに「モシモシ?」と日本語で声をかてきた。ハッとして顔をあげると、彼は「やっぱりそうでしょ?」というようなことを言って、ニタっと笑ったのだ。

過去にタイやインドネシアを訪れたときでさえ妻のアジアンな顔と肌色のおかげで現地人だと思われることの多い僕たち。

日本人を見かけないポーランドなんかで、お爺さんに1発的中されようとは思ってもいなかった。

家に帰り、旅立ちに向けてパッキング。

要らないものが出たり、スーパーで8Lのミネラルウォーターを買ったせいでマンションの外にあるゴミ箱にゴミが入らず、捨て方について尋ねるメッセージを家主に送った。

すぐに返信が来て、まったく別のところに大口のゴミ箱があることを教えてくれた。もっと長期で滞在する場合はとても大事になってくる事なので初対面の時に聞いておけば良さそうだと、勉強になった。

 

 

翌朝、マンションを出てゴミを捨てようとしていたところ、管理人が不慣れな僕らを見兼ねて、手伝いに来た。

「ジンクイエ!(ありがとう)」

覚えたばかりのポーランド語を最後に使ってバス停へ。

 

 

雨が降っていて、びしょ濡れになった。屋根のある待合所で荷物を降ろすと、僕に荷物の見張りを任せて妻は切符を買いに券売機へ。

ところが待てど暮らせど戻ってこない。

やっと戻ってきたと思ったら、券売機が動かないから、他のバス停まで行ってきたというではないか。

もう一度、最寄りの券売機に行くと、確かにタッチパネルが反応しない。まるでスマホを防水パックに入れているときにスクリーン上のボタンが反応しないのと同じ。

もしかしてだけど。

そう思って、タッチパネルについた雨粒を拭き取ると、すぐに画面が切り替わった。

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操作の全てを添乗員に任せていたためチケットの種類や買い方は何一つ覚えていない。ただ、ドイツと似ていて制限時間内なら1枚のチケットで地下鉄・バス・トラムに乗れた。

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ワルシャワの空港ビル。その名もワルシャワ・ショパン空港。とにかくワルシャワはショパンなのだ。

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プライオリティパスを使ってラウンジへ入場。酒があった。ジンクイエ。

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落ち着いた雰囲気のカフェスペース。AC電源の差込口がパーテンションの下に幾つかあり、スマホのバッテリーを充電した。

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空腹ではなかったが貧乏性が炸裂。

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トイレにはシャワー室が併設されていた。空港泊のあとなら有難い。

マンション貸し切りにトライすること。そして今後の旅の計画を練ること。そこに重きを置いたワルシャワだったはずが、思いのほかワルシャワの快適さと人の温もりに癒された旅であった。

物思いにふけっていると、

「やばいねやばいね。ノルウェーの物価めちゃくちゃ高いよね。ああ、航空券の安さに釣られるもんじゃなかったんだよ。」

飛行機に乗る前から妻の心配性が炸裂しはじめた。チケットを購入したあとからこのときまでに色んな旅ブログを読み漁ったのだろう。

「だから、食っとけつったろ。」

とはいったものの、ドローンを絶対に飛ばしたい場所しか調べていない僕には何一つピンときていなかった。

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オスロ・サンネフヨル空港到着前。海を眺め、サーモンを沢山食べようと意気込んだ。

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