airbnbでアパート貸し切り引きこもり in フィレンツェ

引き籠るぞ

ローマに疲れたらairbnbを利用して田舎のアパートで気持ちよく引き籠りたい。

せっかく来たのにもったいない、と思われそうだが、10泊する予定だったので、2日も街歩きできればヨーロッパなんて十分。これがローマで疲れ果てて僕が出した結論だ。

とにかく映画「冷静と情熱の間」に出てくる街のシンボルになっているドゥオモに登って街を展望し、ドゥオモを外からも眺められれば、あとはメジャー中のメジャーな観光スポットを妻の付き合い程度に巡ることができれば、映画に出てくるような石畳の小道にある街の雰囲気も満喫できるだろう。それで僕のフィレンツェの旅は完成である。

 

英語が通じない

ローマから電車で1時間半くらいだっただろうか。フィレンツェのサンタマリアノベラ駅に到着。

家主からチャットメッセージで教わっていたバス停へ向かった。

しかし、着いたはいいが切符を買う場所が見当たらない。これでしばし苦労した。

バス停に並んでいた60くらいのオッサンに尋ねると、全く英語が分からないらしく、首をかしげてくる。

仕方ないので、翻訳アプリで「切符はどこで買えますか?」をイタリア語に変換し音声も付けて画面を見せてみたが、「わかんねえよ」みたいなことを言いながら、近くにいた50くらいのオバサンに僕から取りあげたiphoneを見せつけた。

するとオバサンは威勢よく「フォン!」とiphoneを指差して、バスの運転手に見せろ、とジェスチャーすると、到着したばかりのバスに乗り込んでしまった。

バスの中で買える、ということなのか、それとも携帯で払える方法があるということなのか。

欧州のどこかの国ではバス車内で切符を買うのは常識外れみたいなことをブログで読んだことがあり、ましてや大荷物を背負っていてバスはかなり込み合っていることから、うっかり乗り込んでしまったら降りれない可能性もあった。

どうしようか悩んでいると、例のオッサンが声をかけてきて、ご自慢の切符をチラチラと見せつけてくるのだが、何を言ってるやら分からない。

しかし、「TABAKI」と言って、TABAKIと書かれた看板を指差してくれたことでピンときた。

ああ、なるほど、そういうことか。「グラツィエ(ありがとう)」

TABAKIなるところへに行ってみると、予想した通りそこは単なるタバコ屋であったのだが、切符も買うことができたのだった。

 

アパート

10泊で50,780円の1DK。11月のフィレンツェでまるまる貸し切りとしては安い物件だった。バックパックさえ置いてしまえば街の中心部までバスを使う必要もないという立地を考えるとコスパが良かった。

この料金ならホテルにも泊まることができたかもしれないが、何よりも僕らが欲したのはキッチンである。食費を浮かせれば「2人分のドミトリー料金に外での食事代を足したもの」と大して変わらないのだ。

それならプライベート空間のあるアパートにしたいだろう。

とはいえ、10泊で50,780円だなんて他のバックパッカーがヨーロッパをダッシュで周るのも気持ちはよくわかる。それほど僕はローマに疲れたし、フィレンツェへの憧れがあった。

真ん中の陶器は便器のようだけどウォシュレット イタリアに特に多い 足洗い場と間違えそうになった

 

スーパーマーケット

10分程歩いたところに、スーパーがあると知り、さっそくでかけてみた。ローマは高かったけど、フィレンツェまで来ると安くなるらしい。大型スーパーだったので、安いというよりも高い物から安いものまで品ぞろえが豊富といった感じか。

気になったことはイタリア人の陽気さ。レジ係だけならぬ客も明るく、世間話をしないと気が済まないようだ。やたらレジの雰囲気が良かった。

僕らの順番がきた。うかつに現地語で「ボナセーラ(こんばんは)」などと言ってしまえば、そのあと何を話しかけてくるか分からないので「ハロー」と先制攻撃をしかけてイタリア語を話せないアピール。

目論見通り、値段は英語でおしえてくれた。

あとは「海外のクレジットカードは使えないよ」or「袋は必要?」にさえ備えれば上手くやり過ごすことができるはず。

そして、これも目論見通り他の国と同じだった。

「グラツィエ」と最後だけキメて店を出た。

 

もう一つ気になったのは米の1kg売りだ。これはイタリアに限ったことではないのだけど、パスタコーナー並みに大きい米コーナーが設置されていた。

1kg売りとか旅人だけでなく住民にも有難いだろう。日本でもこうであってほしい。これは意外なヨーロッパの一面だった。

スーパーでもチーズが豊富

スーパーでの水の販売。一気に炭酸水の割合が減っていた

 

街歩き

フィレンツェは2日ほど頑張って歩いた。分かったことはダ・ヴィンチ、ドナテロ、ミケランジェロ、ラファエロという誰でも聞いたことのあるだろう芸術家でありタートルズメンバーでもある彼らやその弟子が活躍した場所、ということ。

美しい芸術品の数々を前もって妻がリサーチしてくれ解説してくれたおかげでフィレンツェの奥深さを楽しむことができた。

特にタートルズでは僕が勝手に陰キャラだと思い込んでいたドナテロ。彼の彫刻作品が結構強烈な存在感があった。

そして、それについて調べれば調べるほど作品以外の面白さへ興味が移っていく。フィレンツェはそんなところだった。

 

残念だったこともある。映画「冷静と情熱の間」は絵画の修復士が主人公であり、そんな仕事もあるんだな、と関心したものだが、僕が何より興味を持ったのは静かな石畳の小道だった。古めかしい建物をあちこちに貫く小道は、実に静かな街を想像させたからだ。

しかし、実際にはフィレンツェとあってもブンブンと車は沢山走っているし、想像以上に観光客が多かった。映画撮影時にはしっかりとロケ場所選びや時間帯を選んで、それっぽい雰囲気づくりがなされていたのだろう。

もちろん、そんな「それっぽい」ところも探してみると、あることはある。でも、探さなければいけない時点で僕のイメージしていた街とはずいぶん異なっていたのだ。

庭から見たアパート

アジアンタムらしき植物の生える壁

エルボリステリアにて石鹸など購入

ミケランジェロ広場 ダビデ像のレプリカ

ミケランジェロ広場からの展望

教会と鐘楼。この裏にドゥオモ。

鐘楼を登った

ドゥオモの展望台を眺めて竹野内豊とケリー・チャンのキスシーンを思い出した。

ガリアーノというイタリアの酒 アルコール35度

宝石店の並ぶヴェッキオ橋

 

えげつない商売

通行人の多い路上での話。

絵の描かれた画用紙を広げて、誰かが気づかずに踏むのを待ち、踏んだ途端に呼び止めて買わせる商法というのを目撃。

「あら、ごめんなさい!」

ある夫人が絵を踏んだのに気づいて謝ると、商人はすでに絵を丸め終わっていたのだ。そして、買わされていた。

そんな風に買ってもらった絵を誰が飾るというのか。まあ、おそらくそんなことはどうでもいいのだろう。とにかく彼らにとっては生活のためなのだ。

というのも、ローマでのバラの押し売りがあったのは前回の記事でも書いたが、フィレンツェにはミサンガの押し売りがいて、執拗に声をかけてくるセネガル人がいた。ミサンガを巻き付けようとしてくる彼と少し話したけど、しきりに「フード」「家族のため」といった言葉を連呼してきた。

「いや、いらないよ。お金ないんだ」

僕は財布にまったく現金をもってなかった。旅の間、妻が現金を持ち歩くことになっていたためだ。

「頼むよ。家族にメシを食わさなきゃならねえ。コインでいいんだ。」

「すまないけど駄目だよ。」

しかし、彼は少しでも僕から金を貰おうと、知っている限りの日本の知識をひけらかす中々面白い奴だったから買いたい気持ちにもなっていた。思い出として。

彼はセネガル人だった。「トヨタ、ニッサン、ナンバーワンテクノロジー」しつこく煽ててくる彼のセリフは僕らの間でしばらく話のネタだった。

それから数日後、彼がレストランのテラス席にいるマダムに営業しているのをたまたま見かけた。

帰り道、妻に「俺にも現金を少し分けてくれ。ああいうやつに会うと何か買いたくなるときが、じきにくるような気がする。」

「うん、いいよ。」

それからまた数日後、僕のことなんて覚えているはずもない彼がふいに声をかけてきた。

「へい、ブラザー、どこから来たんだい?」

そう聞かれて、思わず僕はこう答えた。

「セネガルだよ。」

そのときの彼の屈託のない笑顔が今も忘れられない。

 

CHANTI(キャンティ)と薬局

フィレンツェにまた来たいか?と尋ねられたら、答えは「YES」だ。医療に携わってきた妻は「フィレンツェには世界最古の薬局があるんだ」とか「イタリアと言えばエルボリステリア」などとゴキゲンだった。

エルボリステリアはハーブ専門店のようなところで、イタリア人にとっては薬局よりも先に行きたい場所らしかった。妻はそういった慣習やオーガニック製品が当たり前のイタリアにぞっこんであり、旅開始以来、最も住みたい街とまで言ってのけたからだ。

僕自身は先に書いたようにフィレンツェはイメージと違ったというのが本音だが、たまたま話す機会のあったフィレンツェ在住の日本人の方に

「この辺り(トスカーナ地方)の田舎には美しいところがあるはずですが、オススメのところありますか?」

と尋ねたところ

「CHANTIならそんなに遠くないしバスツアーとか出てますよ。」

とのことで、CHANTIの写真を見せてもらうと、それは僕のイメージしていた通りのトスカーナ地方だった。

イタリアでカーレンタルする気のない僕としては好都合だったが、今回は滞在時間の都合で諦めざるをえなかったのだ。

一番気に入った場所かもしれない。川沿いの広場。

 

ピサ

次に向かうのは、ピサ。ヨーロッパで最も見てみたい建物はフィレンツェのドゥオモだったが、それは僕の意見。

妻はどうしてもサグラダファミリア教会。僕も2番目ならサグラダファミリアだった。

最寄りの空港を探したら、ピサであり、そこからサグラダファミリアのあるバルセロナへはブエリング航空という激安航空会社が就航していた。

じゃあ、サクッと「ピサの斜塔」を見なきゃな、ということになったわけだ。ローマの空港から飛ぶ方がうんと安かったけど、フィレンツェからピサは近く、一度行ったローマに時間をかけて戻る気にはとてもなれなかった。

 

ピサの斜塔はいきなり現れる。フィレンツェのドゥオモにしてもそうだったけど、道を歩いていると建物で隠れているため、出現したときのサプライズ感というか、予想外のアングルでの初対面が嬉しかった。

 

傾いている理由

僕は高い建築技術の証明として造られたのだろうと勝手に思っていたけど、嫁さん博士によると、「地盤沈下」で傾いたらしい。

嘘だと思って調べてみると、正解。さらに面白いことに着工してすぐに地盤沈下し、建設中止を余儀なくされたらしい。

その後、再開されたが、また中止になり、最後は、軸を変えながら建設された。要するに建物自体は真っすぐではないのだ。工期はおよそ200年。

 

造られた目的

斜塔は鐘楼として造られた。鐘楼というのはその名の通り鐘を吊るすための建物。

 

さよならイタリア

英語の語学留学経験のある姉に「イタリアは英語通じなかったよ」と言われてやってきた経緯があり、フィレンツェ到着後はバス停でドキっとしたが、普通に観光する程度にはまったく問題ないと感じた。

そして寂しいほどスリや置き引きとも無縁の旅だった。

看板 左:置き引き注意 右:スリに注意  ピサの駅付近で撮影

 

出国の手続きをするのを並んで待っていると、前にいるカップルが10秒おきにキスしていた。至近距離であまりにも見せつけられると不思議と妻に罪悪感を感じるもので自分もしないわけにはいかなかった。そしてこのバカップルが普通という体験が、意外にも楽しくスペインでも続けようと思った。

 

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以下、フィレンツェで撮影した動画